ここのところ公立学校での教育と教育費についてふれてきた「風」だが、こんなメールをいただいた。
《高校授業料無償化について、わが家でも話題にしています》という女性の方から。女性にはこの4月から高校生になる子供がいるというが《今の公立中学は勉強を教えてもらっているというより、集団生活だけの勉強をしているように感じます》と不満を漏らす。
さらに《先生も塾で先に習っているものとして授業を進めているようで、いい加減だなあ、と感じることがたびたびありました》ともつづっている。
もちろん、すべての学校や先生がそうじゃないだろう。しかし、実際の教育現場でも同じような感想を持つ人がいるようだ。大阪府内の公立中学校に勤務する男性教員から、こんなご意見が寄せられた。
《塾などの教育費がかかるのは、学校が成り立っていないからだと思います》
この教員は《今の学校の現状は生徒指導に追われ、教材研究にかける時間もエネルギーもありません》と教員の抱える苦労を挙げつつ、《問題教員や公務員という立場にあぐらをかいている教員などもいる。公教育の復活こそが大切なことじゃないでしょうか》と、自分たちの側にも厳しい目を向けている。
以前はご紹介しなかったが、文部科学省の平成20年度「子どもの学習費調査」では、学校外で1年間でかかった「学校外活動費」の平均額も掲載している。
公立中学校では約30万5千円。このうち習い事やスポーツ、文化活動などを除いた「補助学習費」が約24万1千円と80%近くを占め、前回調査(18年度)から2.3%増えた。
ちなみに補助学習費の内訳をみると、学習塾費が突出しており約18万7千円。以下、家庭教師費など約2万9千円▽家庭内学習費約1万6千円−だった。
公教育への信頼が崩れているため、保護者はこれらの出費を余儀なくされている面もあるのだろう。先に紹介したメールの女性はこうも書いていた。
《いっそ学校は昼までにして、後は塾で勉強する。その(塾の)補助をしてほしい》(真)
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